前回「留学の洗礼」について書きました。「留学の洗礼」は造語ですが、いわゆる留学後の嬉しさいっぱいのハネムーン期を過ぎた頃に起こる日本では考えられないトラブルやハプニングのことです。
留学に対して期待感が大きい人ほどショックは大きく落ち込み加減も大きくなってしまいます。
今回は1年間の留学を終え、現在大学の日本語クラスのアシスタントティーチャーをしている北村貴恵さん(仮名)の「留学の洗礼」について話を聞いてきました。
明るくてハキハキ話す北村さんは色白でふっくらした頬がかわいらしい女性。日本では教師をしていたものの、留学したいという思いから退職してサンディエゴへ。ホームスティ先をインターネットを利用して自力で見つけたものの、実際に行ってみるとあまりいいお宅ではなかったようです。
いろいろなハウスルールがある中、シャワーを浴びた後はガラスのシャワードアをT字のワイパーで水滴を取り除くように言われていたそうです。
貴恵さんは言われたとおり毎日水滴を取っていました。ところがある日ホストマザーがドアとドアの間のワイパーが届かないところに水滴の跡がついているのを見つけて指摘されてしまったそうです。「ワイパーが届かなかったから」とか「他の部分はいつも掃除していたのに」という思いがありつつ英語がすぐに出てこず、”I am
sorry”と言うのがやっとだった貴恵さん。あとで悔し涙が出たとその時の出来事を語ってくれました。
結局その家庭になじめず2ヶ月弱で引越しを決めた貴恵さん。次はホームスティは辞め、学校の近くのアパートをシェアすることに。ところが引越しした当日にアパート側の都合で1ヵ月後に出て行かなくてはいけないことに。これはハウスメイトのせいでもないため、仕方なく1ヶ月だけそこに住み、その間に新たな住まいを探して引っ越すことになったそうです。
そんなとき北村さんを支えてくれたのは北村さんが通いだした教会の人たちでした。「教会の人たちは見返りなしに本当にいろいろ助けてくれました。わたしと同じように留学している人で困ったことがあれば、キリスト教徒になるかどうかは関係なく教会に顔を出してみることをお勧めしたいです。」
筆者にもアメリカで教会に通った経験があります。日本では敬遠されがちな宗教ですが、日本のように道徳の授業などなく、「善い行い」が宗教と結びつくことから、実際にアメリカで親切な人はクリスチャンであることが多いような気がします。(また英語という言語は①ギリシャ神話、②ローマ神話、③キリスト教の3つの文化が反映されているので聖書について知っておくと話が広がることも多々あります)
また教会はネイティブスピーカーと話せるということで通う留学生も実際にはけっこういるし、普通のこととして行われています。美味しいご飯にありつけるのもひそかな楽しみです。(教会についてはまた今度書ければと思っていますがお知りになりたい方はお気軽にメッセージください。)
その後も引越しを繰り返した貴恵さんですが、今はようやく落ち着ける住まいが見つかり、1年間の留学を終えた後もOPT※を利用して大学の日本語クラスのアシスタントティーチャーをしたり、地元の小学校でボランティアとして働いたりしています。
北村さんの体験は、日本にもアメリカにも、悪い人もいるけどよい人もいる、不親切な人もいるけど親切な人もいることを教えてくれる体験だったのかもしれません。こんなリアルな話も含めた「留学」を知っていただけたら幸いです♪
北村さんのTEFLコース体験談も近日UPします。お楽しみに!
ホームスティについてはこちらから。
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