これから留学する人が抱く留学のイメージは、例えば海外らしい雰囲気の街並みに身をおいて、英語を勉強しながら英語を日々使って、日々新しい出来事に触れて・・・という感じですよね。
これ決して間違いではないのですが、留学経験者ならきっと誰もが経験するのが日本では考えられないようなトラブルやハプニング。渡航して最初の数ヶ月に起こることが多いのでわたしは総称して「留学の洗礼」と呼んでいます。
わたしも2度の留学経験で「留学の洗礼」をしっかり味わっています。1回目の留学は大学生のとき。学校の売ります・買いますのイベントで見つけたパソコンを買いました。売主も他の国からの留学生でパソコンを家まで持ってきてくれたのですが、まずパソコンを部屋に運んでくるときに間借りしていた家主の持ち主の母親の形見というステンドクラスのランプを倒して割ってしまいました。割ったのはわたしではなかったのですが家主さんからは冷たい態度をとられ、家を出るときにはデポジット(敷金のようなもの)も返済されませんでした。
家にパソコンを持っていなかったのでこれで家でレポートが書けると思って買ったたパソコンでしたが、壊れていたのか起動せず、売主の留学生に返金を依頼するもなかなか連絡がつかず、結局半額しか戻って来ないまま売主は国に帰ってしまいました。
2回目の留学は社会人留学でした。車を買う前にレンタカーをしたのですが、一番安いところを探して借りたものの車はイマイチ。レンタカー屋さんもやる気のない人でサービスがなってない。日本ではたいていどんなところでもいいサービスが受けられるのが当然だけどここでは事情が違います。車からヘンな音がするからチェックしてほしいと持っていったものの「特に問題ない」。
さらに車を購入後、レンタカーを戻しに行くと「車からヘンな音がする」と言われました。その頃にはアメリカの生活(というか自分の意見をタイミングよくはっきり言う文化)に慣れていたのでその場で「先月音がするといって持ち込んだときは問題ないって言ってましたよね。」ってすぐ切り返しました。
これはほんの一部の例で他にもいろいろありました。留学しているといろいろあります。もちろんこんな出来事は避けられるのがベストですが、「留学の洗礼」なので避けられないこともどうしても起きてきます。
どうしてこんなことが起こるのか、わたしなりに考えました。「留学の洗礼」は便利で快適な生活が当たり前の日本を離れて、どこででも生きていける自立への一歩として、教訓を教えてくれるものだと思うようになりました。
中古の電化製品を買うときには買う前に本当に作動するのか自分で確かめることを学びました。ただただ安いところを選ぶのではなく、信頼できるサービスを提供するところを選ぶべきだということも学びました。そしてすべてがうまくいったときや人に親切にしてもらったときは本当に感謝できるようになりました。
「留学の洗礼」で多いのは住まいに関するもの。ホストファミリーがよくない人だったり、留学生が英語が流暢ではなく身の回りのことに慣れてないことをいいことに付け込る人だったり・・・。
「留学の洗礼」を受けるとかなり落ち込みます。これを理由にホームシックになってしまうこともあります。留学先で相談できる人もいず困ってしまうことも。自分でしっかり確認したり判断したりすることを学ぶことになりますが、必要のない「留学の洗礼」はなるべく受けてほしくないというのがわたしの気持ちです。それがこの活動を始めた理由かもしれません。
いいことばかりが続かないのは留学も日本での生活も同じですよね。今後参考になればと思い、他の留学体験者の”洗礼体験”もお伝えできればと思っています。
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